ぶらくり- The Black Creatures -

第九章 「三途の袋・・・」
三途の袋に入れられた2匹の兄弟はユラユラ揺られて
何処かへ連れて行かれました。
とてもとても長い時間揺られていたので気持ちいいんだか?
具合悪いんだか?訳がわからない状態に陥ってしまい、
ますます意識が遠のいてきました。

(1)
どすん!!
と、三途の袋がすごい衝撃を受けた後、怖いくらいにピクリとも
動かなくなりました。

(2)
「兄ちゃん・・・ここはどこ?」
「さぁ・・・?地獄の裁判所じゃね〜か?」
「地獄の裁判所?」
「ああ。レオとゲームしていたときに画面に変な生き物が
現れただろう?その時にレオが(この世界で悪い事した奴は
地獄って所に連れて行かれるんだ。)って言っていたからな。」
「兄ちゃん・・・僕たち地獄って所に行くの?」
アックは一瞬のうちに色々な事を想像してますます気が遠く
なってきました。

(3)
「兄ちゃん・・・僕たち天国って所には行けないの?」
「さぁねぇ・・・たぶん無理じゃね〜の?ああ・・・最後に何か
喰いたかったなぁ・・・。」
アックは最後の最後まで食い意地が張っている自分が
少し嫌になりました。「僕はレオのママが作ってくれた
ハンバーグとキャロットが食べたかったなぁ・・・。」

空腹と疲労で気が遠くなりつつもゾディとアックは
食に対しての異常なまでの執念は忘れていないようです。

(4)
「キエーッ!」ドスン!ドカン!バタン!
「うりゃー!!」ドタン!バキッ!
「ヴォォォォ〜!」バコン!グォ〜!!
「アック!今の音は何事だ!」
「兄ちゃん!怖いよ!今のって閻魔様とか言う人の声じゃないの?」
「いや、違う!今のが俗に言う断末魔の声じゃねぇのか?」
俺たちやっぱり死ぬんだ・・・と、2匹が目を閉じたとき奇声が止まりました。
「うらぁぁぁー!もっと激しく叩きつけろ!練習だと思って手ェ抜くな!」


(5)
アックとゾディは最後の力を、ふりしぼって紙袋の上まで登りました。

(6)
ギャーッ!!??
2匹の前に現れた光景はとても、この世のものとは思えませんでした。

(7)
見たこともないようなデカイ物体が殴り合ったりしているのです。
「兄ちゃん・・・ここが地獄の拷問所かなぁ?」
「・・・そうだな。みんなすげー苦しそうだしな。」
「あ!あの怪物動かなくなった!」

(8)
「兄ちゃん 逃げようよ!」
「そうだな。あんなヒドイ目に遭わせられるくらいなら、
どんな手を使ってでも逃げてやらぁ!」 

(9)
思い切って紙袋の頂上から飛び降りた瞬間・・・

(11)
「チビちゃん達!何でここにいるの!?」
なんだか聞き覚えのある金切り声がしました。
その声の主を見て今度は2匹が金切り声をあげました。
「レオ!あんたこそ!なんでここにいるの!」

2匹の小さな生き物の運命はいかに・・・。

第10章へつづく!!!