ぶらくり- The Black Creatures -

第五章 「レオんち2」

(1)

二匹のクリ−チャ−ズとレオが同居を始めて5日がたちました。

「うわー!この星のゲームって楽しいな!」

「ねぇレオ!ゲームの中身かえていい?」

この2匹のゲームの上手さを見てレオはびっくりしてしまいました。

「き…君たちの星にもゲームってあるの?」

「うん、あるよー。ボクと兄ちゃんはゲームの賞金稼ぎで

生活していたんだもん!」「ゲ…ゲームプロなんだ!?」

「えへへ…。」レオはこの2匹の生物が今までどんな生活を

していたのか?本当は怖い飼い主に飼われていて

ヒドイ生活をしていたのかも?と、ちょっと心配になりました。

(2)

その時ママがやってきて追い討ちをかける勢いでレオの

耳元でこう言いました。

「ねぇレオ…この子達どこかで飼われていたんじゃないの?」

「え?」レオはママに核心を突かれたような気がして思わず

気が動転してしまいました。そんなレオに気付かずママは

「だってこんなに色々な事知っている訳ないじゃない…。」と

言い放ちました。このときレオには優しいママが鬼ババアに

見えて困りました。そうとも知らずママは続けます。

「飼い主さんはこの子達を探してるんじゃないのかなぁ?」

「で…でもっ!この子達は僕のだもん!!」

レオは今まで出したこともないような大声で叫びました。

(3)

「何をコソコソ話しているんですか?」

アックはオドオドと質問しました。レオが涙を滝のように流しながら

言いました。「ママが君たちは今まで誰かに飼われていたんじゃ

ないかって言うんだよぉぉぉ!!」アックはビックリしました。

「ぼ…僕たち誰にも飼われたことないっていうか…アニーホール星

でも誰のお世話にもなっていませんよ!」と本当の事を言いました。

「ならいいけど…・」ママは内心ホッとしました。

ママもこの2匹のことがいたく気に入ったので今さら前の飼い主と

親権問題でモメるのは嫌だなー。と思っていたからです。

「まあ住む所ぐらい二匹が決めればいいことよね。」と

また考えるのを辞めました。

(4)

「なに話してんだよ。」ゾディが騒ぎを聞きつけてアックに聞きました。

「兄ちゃん!ママが僕たちは誰かに飼われていたんじゃないの?って

言うんだよ。僕たちは誰にも飼われてなんかなかったよね?」

「おう。俺達は2人だけで暮らしていたぞ!」

(5)

「ちびちゃん達今日はゲーム6時間もしていたから疲れたでしょう?

レオと一緒に早く寝なさい。」

ママは今日もレオの部屋にフトンを並べてくれました。

「わーい!フトンだフトンだ!」アックはアニーホール星には

存在しなかったフトンが大好きなので大はしゃぎしてしまいました。

もちろんアックの「好きな物リスト」にフトンは登録済です。

(6)

「わーい!今日も3人で寝れるね!」フトンの中に入ってもアックは

ハイテンションです。嬉しくてたまらないアックの横でゾディの顔色は

どんより曇っています…。まるで何か企んでいる様子です…。